本と映画


「すべての日本人、必読!」というセリフとともに、経営コンサル業界のカリスマ大前研一のどや顔が載っている、この本。

「未来は、自らの思考力で切り開け!」と強気できていますが、確かに混沌としたこの世界。ではどうやってその思考する力を身につけられるのでしょうか?その答えがこの本にありそうです。

本書は、“答えのない世界”において、ひるむことなく答えを模索する“思考力”と行動する“勇気”を、徹底的に鍛えるための一冊である、とAmazonにも紹介されています。
要は、思考力を身につける本なのですが、大きく4つの話題で構成されています。
第1~2章はフォームアップとしての、常識や面倒さに囚われて「思考逃避」に陥っている危険性と、「健全に疑うこと」の重要性。それらが具体的に述べられます。
第3~5章は「プラットフォーム戦略」について、第6~8章では、「未来の顧客を得る」ために「未来を予測する」重要性について、最後の第9章は、創造的で思考力をより良くするための、「集団IQ」の高い集団での議論の重要について説かれています。

個人的には、第1~2章の「思考逃避」の危険性とその回避方法が参考になりました。

常に疑い「なぜ?」と思う気持ちが思考力を深める

思考逃避をもたらすバリアには、以下の3つが上げられてます。

  1. 空気を読みすぎる
  2. 他人の言うことを鵜呑みにする
  3. 組織のお作法を重視する

1の空気を読みすぎる、とは、所属する組織になじんでしまって、その慣習を疑わない。和を壊さないようにすることなのです。でも、この先行きの分からない、変化に満ちた世界では、取り残されてしまいます。「なんで、そうなっているのだろう?」と常に疑いの目を持って、見ることが大切なのだと説かれています。

2の「他人の言うことを鵜呑みにする」…耳が痛いのですが、マスコミやネットで得た情報を鵜呑みにしてしまいがち。疑問を持ち、納得するまで調べる・尋ねる必要性が説かれています。

…先輩・上司・顧客の言うことに対して、いわれてことをそのまま鵜呑みにして摩擦をなくそうと思考逃避するのではなく、「なぜ」と自問するように訓練を積んでいくことなのです。(P.28)

小さい子どもが「なぜ?」と親や周囲に質問攻めするのは、思考力を身につける自然の能力といったところでしょうか。ここで、うっとうしいと思わずに、とことんつきあうのが重要だと感じました。

3.のバリア「組織のお作法を重視する」ですが、

根拠・規定・あるいは権限などに沿って正しい手続きを踏むことを最重要した「手続き重視」の思考。特に思考逃避を生み出しやすいのは、…「手続き重視」の思考が蔓延した組織の場合です。(P.28-29)

「手続き重視」は、楽なんですよ。言われたと折りすればいいだけだから。失敗しても、逃げられるから。

しかし、環境がころころ変わる現代においては、「手続き重視」タイプの集団は変化に対応できずうまくいきません。

では、それを回避するには、「手続き重視」タイプの人と、目的の共通点を確認することです。そこから、「結果を重視した」行動を提案し実行に移すことができるのです。 

それらの基本的な内容を踏まえて、第2章にて「転職を考えている夫とアドバイスする妻」の実例で、どのように思考するかが、述べられています。すごい具体的!

第3章以降は、家庭内の問題でなくもっと大きなテーマが取り上げられています。

壮大なことはまだまだですが(これもある種の「思考逃避」?)、まずは、何事を実行に移すにおいても「なぜ?」の疑問をぶつけて、まずは考えてみようと思いました。

ちなみに、プラットフォームに関しては『ザ・プラットフォーム―IT企業はなぜ世界を変えるのか? (NHK出版新書 463)』という書籍がお手頃で面白そう。Amazonと楽天のプラットフォーム戦略の違いなど、初心者でもわかりやすく書かれているそうです。

Kindle版で読んでみようと思います。

最後に、レビュープラスさまより献本いただきました。ありがとうございました!

目次
第1章 準備運動――「思考逃避」のもたらす危機
第2章 思考逃避がもたらす固定観念を打破する
第3章 大局観を持つ――市場の未来を見通す思考力1
第4章 ある程度予測できる未来を読む――市場の未来を見通す思考力2
第5章 新しい未来を創り出す――市場の未来を見通す思考力3
第6章 事業構造と顧客交点アプローチ――顧客の未来と未来の顧客を見通す思考力1
第7章 時間軸と顧客交点アプローチ――顧客の未来と未来の顧客を見通す思考力2
第8章 顧客個人の内面と外部交点アプローチ――顧客の未来と未来の顧客を見通す思考力3
第9章 未知の問題解決に挑戦するための集団IQ